【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。

「俺は君と、家族になりたい。……幸せにしたいんだ、君も子供も」

「っ……爽太さん……」

「もう一度君に、必ずプロポーズする。……だからその時は、受けてくれるだろ？」

　そんなことを言われたら、本気にしてしまう。信じてしまう。
　だけど信じていいのなら……。わたしの答えはもう、決まっている。

「……はい。もちろんです」

「良かった。　待たせてしまうかもしれないけど……待っててくれるか？」

　その答えは1つだ。

「……はい。待ちます。どんなに長くても」

　爽太さんがまたプロポーズしてくれるその日まで、わたしはいくらで待つ。
　それがわたしの、使命だと思うから。子供が産まれていたとしても、子育てに奮闘しながら頑張るつもりだ。
　ーーー爽太さんにまたもう一度プロポーズしてもらえる、その日まで。

「……ああ」

　爽太さんからの熱くて力強い温もりは、いつもわたしを安心させてくれるから。　　
　その温もりを忘れない……。

「とびっきり君を幸せにすると約束する」

「……約束、ですよ」

「ああ、約束だ」

　約束したのだから、破ったりしないでね……。