【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
⑱父親としての自覚
【爽太Side】
「……親父、親父に話したいことがあるんだ」
俺はその数日後、紅音には内緒で実家に来ていた。
「話?なんだ」
親父には、紅音のことを話さなければならないと思った。
ちゃんと妊娠していることを、話す義務が俺にはあるから……。
「紅音が、妊娠したんだ。……俺の子だ」
「…………。そうか」
親父はてっきり、怒るかと思っていた。だけど口を開いても、言ったのはその一言だけだった。
「……すまない。約束を破った」
親父と約束した、子供は作らないと。……なのにその約束を、俺は破ってしまった。
「……そうだな。破ってしまったようだな、約束」
「すまない」
謝って許してもらえるかは分からないが、とにかく謝った。
「……まぁ、出来てしまったものは仕方ないからな。責める訳にはいかないな」
「怒らないのか……?」
と俺が問いかけると、俺はこう言ってきた。
「怒る訳はないだろう。……ただもし、お前たちに子供が出来たら、お前はウィーンには行かないと言い出すのではないかとは……思っていたがな」
「……親父」
「……親父、親父に話したいことがあるんだ」
俺はその数日後、紅音には内緒で実家に来ていた。
「話?なんだ」
親父には、紅音のことを話さなければならないと思った。
ちゃんと妊娠していることを、話す義務が俺にはあるから……。
「紅音が、妊娠したんだ。……俺の子だ」
「…………。そうか」
親父はてっきり、怒るかと思っていた。だけど口を開いても、言ったのはその一言だけだった。
「……すまない。約束を破った」
親父と約束した、子供は作らないと。……なのにその約束を、俺は破ってしまった。
「……そうだな。破ってしまったようだな、約束」
「すまない」
謝って許してもらえるかは分からないが、とにかく謝った。
「……まぁ、出来てしまったものは仕方ないからな。責める訳にはいかないな」
「怒らないのか……?」
と俺が問いかけると、俺はこう言ってきた。
「怒る訳はないだろう。……ただもし、お前たちに子供が出来たら、お前はウィーンには行かないと言い出すのではないかとは……思っていたがな」
「……親父」