【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
それからまた、1ヶ月1ヶ月と時は過ぎていった。
早いもので間もなく、安定期を迎えようとしていた。つわりも段々と収まりつつあり、食欲も少しずつだけど回復してきた。
今まで通りの食事が出来るようになってきたことは、わたしにとって嬉しいことだ。
「小田原紅音さーん、2番の診察室へどうぞ〜」
「は、はい」
定期検診にも爽太さんは、よく一緒に来てくれるようになった。 少しでも父親として、出来ることがあれば何でもしたいからと、嬉しそうに言っているのだ。
【少しは父親としての自覚が出てきたか?】と爽太さんはよく聞いてくるけど、充分父親になるために色々とやってくれているし、自覚は充分にあると思う。
わたしもまだちゃんと母親になれるのか、分からないし、たくさん不安もあるけど……。それでもわたしは、母親としてこの子を守りたいのだ。
爽太さんが日本に帰ってきた時に、成長した姿を見せたい。
爽太さんが安心できるように……。
「小田原さん、分かる?赤ちゃん、だいぶ大きくなって来ましたね」
「……本当だ」
前の検診の時よりも、少し大きくなっている。