【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


 あまりにも美味しすぎて、お箸が止まらなくなるくらいだ。

「そっか、ならよかった。 加古川に感謝しないとな?」

 そう言って爽太さんは、ニコニコと微笑みながら食事に手を付けた。

「ん、本当だ。美味いな」

「ですよね? こんなに美味しい料理食べさせてもらえるなんて、わたし本当に幸せ者です」

 わたしはそう言うと、爽太さんに向かって微笑みを向けた。

「まぁ、正確に言うと俺じゃなくて、加古川のおかげなんだけどな?」

「……た、確かに」

 元々は加古川先生が行くはずだったものだし、加古川先生に感謝しなくちゃ……。
 ありがとう、救命医の加古川先生。

「さ、遠慮なく食べるといい。好きなもの持ってこい」

「……じゃあ、遠慮なく」

 わたしはその後、あまりの料理の美味しさにお寿司やパスタ、デザートなど好きな物をとことん食べ尽くした。
 そんな食べる姿のわたしを見て、爽太さんは「本当に美味しそうに食べるな、紅音は」と言って八重歯を見せて笑っていた。

「ごちそうさまでした」

 デザートまでしっかりと食べてしまって、わたしはお腹いっぱいになってしまった。
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