【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
⑲カウントダウン
夕食が出来上がった頃、爽太さんが仕事から帰ってきた。そしてすぐさま、わたしを抱きしめてくる。
「爽太さん……?」
「ただいま、紅音」
「おかえりなさい」
爽太さんのその温もりは温かくて、なんだか安心する。
「赤ちゃん、元気にしてるか?」
そう聞かれてわたしは「はい。元気ですよ」と答えた。
「それは良かった。 少しだけど、お腹大きくなってきたな」
「はい。少しだけ、ですけど」
「産まれてくるまでにまだたくさん時間はある。ゆっくりと成長してくれたら、それでいいさ」
そんな爽太さんの言葉に、わたしは「そうですね」と答えた。
わたしたちの赤ちゃんは、必ず元気に産まれてきてくれるに違いない。そして元気に育ってくれるはずだ。
「それより、腹減ったな」
「じゃあ、ご飯にしましょうか」
「ああ。手を洗ってくるよ」
爽太さんは一旦部屋に戻り、着替えてからキッチンにやってきた。
「「いたただきます」」
と手を合わせて夕食を食べ始める。
「うん。美味い」
「良かった」
「雑穀ご飯、美味いんだな」
「美味しいです」