【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
爽太さんの優しい微笑みを見て、わたしは泣きそうになる。
こんなにも幸せの絶頂の中での離婚は、正直に言うと……。とても辛く感じる。
「……爽太さん、わたしももっと、強くなりたいです」
「え?」
爽太さんは不思議そうに、わたしを見つめていた。
「わたしも、爽太さんに会った時に強くなっていたいです。女としても、母親としても。……そして生まれ変わって、爽太さんにもっと相応しい妻になりたいです」
そう言うと爽太さんは、微笑みながらこう言ってきた。
「紅音はもう充分、俺の妻として相応しいよ。 紅音と結婚してから、君には色んなことを教えてもらった。……紅音、君は俺にはない感性を持ってる。そして感情豊かな表情も持ってる。 こんな俺にも優しくて、温かくて、何よりいつも俺を笑顔にさせてくれる。……そんな紅音のことが、俺は大好きなんだ」
「っ……。爽太、さん……」
そんなことを言われたら、涙が止まらなくなってしまう。
こんなわたしを幸せにしてくれたのは、爽太さんなのに……。わたしは爽太さんの妻になれたことを、誇りに思っている。
結婚してから、毎日が充実している。