【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


 爽太さんが父親というだけで、この子はきっと幸せだ。……爽太さんは離れていても、わたしとこの子のことを一番に思ってる。
 そう言ってくれたから、信じることが出来る。

「俺はこの子のために、いい父親になりたいって思ってる」

 爽太さんは突然、そんなことを言ってきた。

「……大丈夫ですよ、爽太さんなら」

 わたしは爽太さんの言葉に、そう返した。

「そう思うか?」

「はい。……だってこの子の父親に相応しいのは、あなたしかいないんですよ?」

 あなただけがわたしの夫であり、家族になる人なんだから……。
 この子の父親として、爽太さんはきっとわたしたちを幸せにしてくれると信じてる。

「そうだな……。俺はこの子の父親、だもんな」

「そうですよ。この子もパパが爽太さんだと分かって、きっと喜んでくれてると思いますよ?」

 あなたの父親は、とても優しくて心の温かい人なんだって……ちゃんと伝えたい。

「そうだといいな。……俺もたくさん、愛してやりたい。紅音のことも、この子のことも。世界一幸せにしてやりたい」

「それは嬉しいです。きっとこの子も、嬉しいと思いますよ」
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