【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
「紅音、結婚指輪……。持っててくれるか?」
「え、いいんですか?」
「ああ。持っててほしいんだ、紅音に」
爽太さんは自分の結婚指輪を外すと、その指輪をわたしの手に握らせた。
「……じゃあわたしのも、持っててくれますか?」
「いいのか?」
「はい。 持っていて、ください」
わたしも自分の結婚指輪を外すと、それを爽太さんに渡した。
「ありがとう。……大切に持っておくよ」
「わたしも、大切に持ってます。……また会えるそのその日まで、必ず」
わたしは爽太さんにそう言って微笑むと、爽太さんは優しく微笑み返して頭を撫でてくれた。
「紅音、愛してるからな。紅音のことも、子供のことも。……二人とも俺の、大切な人だ」
「それは、わたしもですよ。……わたしにとって、あなたは大切な人です。かけがえのない人です。これからも先もずっとずっと」
爽太さんとわたしは、出会い方は運命とは言えなかったかもしれない。
突然出会って、結婚することになった。それは2年間という期限付きで、子供は作らない。
そして2年後には離婚をするという形で、夫婦になった。