【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


 
 それから数日、わたしたちは二人での時間を過ごしていた。
 明後日になったら、ついに爽太さんはウィーンに行ってしまう。 寂しいし、本当は行ってほしくない。ずっと一緒にいたいよ……。

 だけど爽太さんとは、これからもずっと一緒にいれるんだ。
 愛してる人とのずっと一緒にいれる。それって素晴らしいことだって思ってる。
 だから爽太さんのことを信じて、これからわたしは生きていくの。後はこの子を産むために、一生懸命頑張るだけだ。
 赤ちゃんが産まれる瞬間を、一緒に見たかったけど……。仕方ない。

「……爽太さん、明日、見送りに行ってもいいですか?」

「え、来てくれるのか?」

「はい。……爽太さんを笑顔で、見送りたくて」

 わたしは爽太さんにそう告げると、爽太さんは「ありがとう、紅音」と微笑んでいた。

「俺はウィーンに行っても、紅音のことを絶対に忘れない。 毎日紅音のことを思いながら、向こうで頑張るからな」

「……はい」

 わたしは爽太さんから預かった結婚指輪を、ネックレスにして首にかけていた。
 爽太さんからの愛の証を、常に身に着けていたいから。
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