【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
「当たり前です。だってわたしたちの子供、ですよ?……可愛くない訳、ないですよ」
莉音はわたしたちにとって、とても大切な宝物なのだから。
「そうだな。めちゃくちゃ、可愛いな」
「……はい」
二人で並んで莉音の寝顔を見つめていると、爽太さんはわたしの左手をそっと握ってきた。
「爽太さん……?」
「紅音、莉音を産んでくれてありがとう。……俺、本当に幸せだ」
「……はい。わたしも幸せです、とても」
今までも幸せだった。だけど今の方が、何よりも幸せ……。
こうしてまた、爽太さんと会えたから。これ以上ないってくらい、幸せになりそうな予感がする。
「今まで一人で苦労を背負わせてしまって、すまない。……これからは俺も、ちゃんと父親になるから。 前よりももっと、いい旦那になれるように頑張るから」
爽太さんからその言葉がもらえただけで、わたしは充分だった。それでも、幸せだと感じた。
「……爽太さん、わたしたちはまだ、親になったたばかりです。だから二人で一緒に、手を取り合って支え合って、これからも莉音を育てていきましょう?」
「ああ、そうだな。……任せておけ」