【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
爽太さんはそう言って、嬉しそうに微笑んだ。
「頑張りましょう。爽太さん」
「ああ」
こうしてまた、二人一緒に生きていくことが出来ることを、幸せだと思う。
一度単身赴任みたいな感じになったけど、またこうして再会出来たから。
「……紅音、結婚指輪、まだ持ってるか?」
そう問いかけられたわたしは「もちろんです。……ここにありますよ、ずっと」とネックレスに付いた爽太さんの結婚指輪を見せた。
「……良かった。ありがとう、持っててくれて」
「爽太さんも、持ってますか?」
「当たり前だ。ずっと持ち歩いてたよ」
爽太さんはわたしの結婚指輪を同じくネックレスにした状態から取り出すと、それを外した。
「……紅音。あの約束、覚えてるか?」
あの約束……。その約束を、忘れる訳がない。
「もちろんです。……またプロポーズ、してくれるんですよね?」
帰ったらまたプロポーズしてくれると、爽太さんは約束してくれた。……わたしはそのプロポーズを、ずっと待ち続けていたのだから。
「紅音、愛してる。……これからもずっと、一緒にいよう」
「……はい」
そんなの、当たり前だよ……。