【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。



 爽太さんが帰ってきた日の夜、莉音が眠っている部屋とは別の寝室で、わたしたちは新たに新婚?初夜を迎えていた。

「紅音……愛してる」

「わたしも……」

 爽太さんとこうして愛を確かめ合う行為をするのは、とても久しぶりで、なんだか緊張した。
 だけど爽太さんは、優しく優しく触れてくれた。

「んっ……」

 爽太さんに触れられる度に、わたしは意識を飛ばしそうになってしまう。
 
「やっ……」

 爽太さんとの愛の営みは、いつも優しいけど、今日はいつもより何倍も優しく感じた。

「紅音……ずっとこうしたかった」

「わたしも……。ずっとずっと、こうされたかった……」

 爽太さんとこうしてベッドの中で愛し合うその行為は、わたしにとっては幸せなものだった。
 例えるならほろ苦いコーヒーゼリーのような、優しい苦味で。上に乗っている生クリームみたいに、ちょっと甘い本能が合わさったみたいな。そんな幸せな時間だった。

「早いうちにまた子供、作らないとな」

「フフッ……。そうですね」

 わたしたちはその日、お互いに何度も求め合って愛を確かめ合った。 甘いスイーツのように、溶け合ってーーー

 

【完結】
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