【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
➂小田原家の家族
それから数日後、わたしは爽太さんと一緒に、爽太さんの家族の元へと来ていた。
爽太さん家はご両親、そして弟と妹の3人兄妹だ。爽太さん家の家族は、みんな優しい。
いきなり妻になったわたしにも、優しく接してくれる。
「爽太、紅音さん、いらっしゃい!どうぞ入って」
「お、お邪魔します……」
爽太さんの家はとても広くて、家に入るのが恐れ多いくらいだ。
「こんにちは、紅音さん」
「こ、こんにちは。沙和さん」
明るい笑顔で出迎えてくれたのは、爽太さんの妹でわたしと同い年の沙和(さわ)さん。
わたしのことを紅音さんと呼んでくれて、気作に話しかけてくれる。笑顔が本当に似合う清楚な女性だ。
わたしにはないものを持っていて、正直とても羨ましい。
「紅音さん、そのお洋服、とても似合ってる」
「え、そうですか……?」
わたしよりも沙和さんが着たほうが似合うのでは?と思わなくはないけれど……。
褒められると、ちょっと嬉しい。
「うん。紅音さんにピッタリだね」
「あ、ありがとうございます……」
なんかこう、恐れ多い……。