【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


「え……?」

 今、爽太さん、なんて……?
 
「俺も好きだ。……お前のこと、好きだ」

 その言葉を聞いた瞬間、わたしの目にどんどん涙が溜まっていく。
 そしてその後涙が、とめどなく溢れていく。

「っ……うぅっ……」

 ヤバイくらい涙が止まらない。嬉しいが8割で、驚きが2割くらいなのかな……。
 だけど本当に嬉しいんだ。

「紅音にそれ以上言うなって言ったのは……。その後の言葉を俺から伝えたかったからだよ」

「……え?」

 俺から、伝えたかったから……?じゃあ困ってた顔をしていたのは……。
 わたしが爽太さんよりも先に、好きだって言ってしまったからなの……?

「こういう時は、男が先に言うものだろ?」

「……じゃあ好きだって言われて、困惑していたのは……」

「紅音に先に言われちまったからだよ」

 なんだ……。わたしのことを好きじゃないのかな?って思ってたから、びっくりしたよ……。
 この前のキスの時も、わたしから先にしてしまったし。今日だって……。

「あ、あの、わたし……」

「好きだよ、紅音」

 そう言って爽太さんは、今度は優しくキスをした。
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