【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
「そ、爽太さん……?」
爽太さんの目を見つめると、爽太さんは「いいから。今日は黙って、俺に抱かれとけ」そう言ってきた。
「……はい」
その日わたしは、爽太さんの言う通り素直に爽太さんの体に抱かれた。
爽太さんの熱い体に溶かされながら、お互いの吐息が混ざり合うこのベッドの中で、わたしは爽太さんに甘く激しく抱かれた。
爽太さんに抱かれるのは初めてじゃない。結婚してからは営みとして何回か抱かれていたけれど、愛のある行為に感じたのは今日が初めてだった。
今までよりもずっと、深い愛を感じて幸せだと感じた。
だけど同時に、その気持ちが大きくなればなるほど、わたしは不安を覚えた。
期間限定で結婚したけどその生活もあと残り一年半……。このまま爽太さんのことをどんどん好きになってしまったら、わたしはもうこの幸せから立ち直ることは出来ないかもしれない。
そう思うこともあって、不安になる。このままずっと一緒にいられたらいいのに。……そんな考えばかり浮かんでしまう。
そんなことを思っていても、一年半後にはこの夫婦生活は終わりを告げてしまうのに……。