【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


 そう看護師から聞かれた俺は「はい。そうです……!」と慌てて答えた。

「こちらです!」

 と案内された場所へと走った。その後すぐ、処置室から加古川が出てきた。

「加古川……!紅音は……。紅音は……!?」

 俺は焦りからか、加古川の服を掴んだ。

「紅音さんは車に轢かれたショックで頭を強く打ち、ショック状態になっている。脳の中で出血が起こっている可能性が高い。バイタルも安定してない」

「そんな……」

 このまま、紅音は死ぬっていうのか……?そんなの、絶対にイヤだ……!

「頼む!紅音を助けてくれ……!」

「紅音さんは危険な状態だ。すぐに緊急オペが必要だ。……だけどオペをするには、家族であるお前の同意が必要なんだ」

 そう言われた瞬間、処置室からチラッと見えたのは……。
 衣服に血がついていて、腕や頭に傷のある状態の紅音の姿だった。

「一刻を争うんだ!すぐにオペをしないと、紅音さんは助からない」

「……加古川、頼む!紅音を助けてくれ!なんとしても、助けてくれ……!」

 俺は加古川にすがりついた。そして紅音を助けてくれと頼んだ。
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