【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
加古川先生はそう言うと、ちょうど入ってきた看護師さんに「採血と検温頼む。後、点滴変えといていくれ」と言ってそのまま微笑んで病室から出ていった。
「小田原さん、採血しますね」
「はい」
「どうですか?体、痛い所とかありませんか?」
看護師さんは採血しながらそう問いかけてきたので、わたしは「今の所、大丈夫です」と答えた。
「何かあったら、いつでも言ってくださいね?」
「ありがとうございます」
採血が終わり「検温しますね」とおでこに体温計を当てて体温を計る。
「まだ少し、微熱がありますね」
「……はい」
「解熱剤、投与しておきますね」
「ありがとうございます」
看護師は解熱剤を投与した後、そのまま「じゃあ何かあったら呼んでください」と言って病室から出ていった。
「体、大丈夫そうか?」
病室に戻ってきた爽太さんは、わたしにそう問いかけてきた。
「はい。大丈夫です」
「あまり無理はするなよ?」
「分かってます。……もう無理はしません」
こんなにも心配してくれる人がいるって、本当に幸せなことなんだなって、改めて思った。