【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
「……紅音」
「こんなこと言って困らせてしまうことは、分かっています。……でも爽太さんのことが、すごく好きなんです。こうなってみて初めて、人の大切さとか、命の重みとかに気付きました」
もし爽太さんに何かあったら、わたしはきっと耐えられる自信がない。……爽太さんがいなくなったら、わたしはきっと辛くなる。
そのくらい、爽太さんのことが大好きなんだ……。
「紅音……。俺もお前のことを、大切にしたいと思ってる」
「……爽太さん」
「俺から離れるなんて……許さないからな」
そう言われてまたわたしは、爽太さんからの愛情たっぷりのキスを受けた。
わたしたちの関係は、後一年……。だけどその一年を充実したものにしたい。
一年経ったら、わたしたちの関係は終わってしまう。……だけどそう思えないくらいに、わたしは爽太さんに惹かれている。
こんなにもずっと一緒にいたいって思える人は、爽太さんが初めてだった。
わたしを借金という地獄の闇から救ってくれて、こんなにも優しくしてくれて……。
幸せ以外の言葉が、何も見つからない。こんなにも幸せなのは、爽太さんのおかげだ。