【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。

 
 ニ年間という期間限定夫婦になって早一年。わたしたちにはどうしても、そのニ年という期間の中で描く夫婦生活には、どこか普通の夫婦とは違うものがある。
 結婚式も挙げていない。契約結婚なのならば、写真のみでいいのではないかと言われて、写真撮影のみで済ませた。
 
 ニ年間の結婚生活だし、子供も作らない。そういうルールだから……。
 だけしかいつかは、自分の子供がほしい。

「爽太さん……。わたし……」

「紅音?……どうした?」 

「爽太さんと結婚出来たこと、誇りに思っています。もちろん夫婦と言っても、所詮は結局他人同士でしかないけど……。だけど夫婦にも色々なカタチがあると思います。……だからわたしは、こうした期間限定の夫婦だとしても、爽太さんと夫婦になれたことを誇りに思っています」

 そう言ってわたしからキスをすると、爽太さんはそのままわたしをお姫様抱っこして、ベッドへと運んだ。
 正直に言うと、病院で目が覚めて隣に爽太さんがいてくれた時、本当に嬉しかった。
 爽太さんはわたしを妻として心配してくれたんだなと思って、嬉しかったんだ……。
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