【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
爽太さんはそう言って俯いていた。
「……爽太さん」
「分かっている。俺は君を利用したことに変わりはない。……こんな期間限定の結婚にさせてしまったこと、反省している」
そんなこと、ない……。そんなこと、ないのに……。
わたしは利用されたなんて思ってない。思ったこともないのに……。
「そんなことないです。利用されたなんて、思ってません」
「……紅音?」
わたしは爽太さんに向かって、力強くそう言った。
「そんなこと、言わないでください。……わたしはあなたの妻になれたことを、嬉しく思っています。それに期間限定の夫婦だとしても、わたしの爽太さんに対する愛は、ずっと変わりません。……これからもずっと、変わることはありません。あなたと離婚したとしても、わたしはずっとあなたのことっ……」
その言葉の途中で、爽太さんから唇を重ねられてしまい、言葉を遮られてしまった。
「んっ、爽太さっ……」
ベッドに押し倒されて、そのまま深く唇を重ねられる。
「……爽太、さん?どうしたんですか……?」
「それ以上言ったら、後戻り出来なくなるだろ?」