【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
その次の日の朝、新しい掃除機が届いた。
「ご苦労様でした」
「では、失礼します」
「ありがとうございました」
今日はわたしたちは二人とも休みで、その日に届けてもらうことができたのは良かった気がする。
「これか、新しい掃除機」
「はい。サイクロン式掃除機です。コードレスなのに軽くて、持ちやすくて。何より女性人気No.1だそうで……。気にいってしまいました」
「いいじゃないか。紅音にピッタリだな」
爽太さんはそう言って優しく笑っていた。
「ありがとうございます。 あの、お金……」
「お金ならいい。二人のものなんだから」
と、爽太さんは言って頭を撫でてくれた。
「……ありがとうございます」
「紅音はお金のことを気にしすぎだ」
「だって……」
それはそうだ。だってわたしはもともと、借金を抱えていた人間だ。
気にするなと言われる度に、やっぱり気にしてしまう。
「紅音のために、俺がそうしたいんだ。俺はお前の夫だから」
「……ありがとうございます。爽太さん」
わたしはやっぱり、爽太さんのことが大好き……。