【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
「なるほど……」
「入るぞ」
「はい」
インターホンを押すと、その直後に大きな門が開いた。
「あ、開いた……」
「行くぞ、紅音」
「は、はい」
爽太さんに手を握られ、家の中へと入っていく。
「おお、小田原」
「久しぶりだな、凜人」
「どうぞ入ってくれ。紅音さんも、よく来てくれたね」
「お、お邪魔します」
わたしたちは大きな屋敷の中に入った。
「うわっ、大理石……!」
玄関は大理石で出来ていて、それに玄関にしては広すぎる。
歩くのも恐れ多いくらいだ。
「ここで座って待っててくれ」
「ああ」
リビングに案内されると、リビングはかなり広くて、リビングの窓から中庭が見えていた。
「すごい……!中庭が見えるんですね」
「すごいよな?本当にデカイ家だよ」
なんて爽太さんは言っていたけど、何回か遊びに来ているようだった。
「あ、紅音さん……!」
「え? あ、美乃梨さん……!」
そこへ赤ちゃんを抱っこした美乃梨さんが、リビングへとやってきた。
「お久しぶりです、小田原さん」
「美乃梨さん。出産、おめでとうございます」