【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
爽太さんはわたしの頭を撫でると、寝室の扉をそっと締めた。
「……ありがとう、爽太さん」
爽太さんがわたしの夫で、本当に良かった……。
「……はぁ。頭痛い……」
熱があるせいか、頭が痛い。意識もボッーとする……。
それから数分後、爽太さんはお盆に温めた雑炊を乗せて持ってきてくれた。
「紅音、お待たせ」
「ありがとうございます……」
わたしは体を起こすと、爽太さんが「紅音、無理して食べなくていいから。食べれるだけ食べろ」と言ってくれた。
「はい。……いただきます」
わたしは手を合わせて、爽太さんの作ってくれた雑炊に手を付けた。
「熱いから、フーフーしてやるよ」
「え、い、いいです……!」
目の前でフーフーなんて、恥ずかしすぎる……!
「いいから。熱いから」
そんなわたしの恥ずかしさも気にも止めず、爽太さんは雑炊をフーフーした。
「ほら、アーンして」
「え……!?」
アーンするの……?恥ずかしい……!
「ほら、アーン」
「……っ、アーン」
恥ずかしさを捨てて、口を開けた。
「はい。よく出来ました」