あの夏、わたしはキミに恋をした。
それからしばらく休憩時間になった。
「こっからだな」
「ん?」
「もうここから夏まではノンストップだな」
「そうだね」
予選まで4か月。
いままではまだ、まだ、なんて思っていたけど先輩たちの卒業を機に本当に一気に目の前までやってきたように感じる。
「桃菜にひとつお願いがあるんだ」
「どうしたの?そんな改まって」
「これからなにがあっても桃菜は桃菜らしくいてほしい」
「…それってどういう…?」
「深い意味はないんだ。ただ、桃菜は桃菜のままでいてくれたら俺はうれしいから」
大輝の言葉は全然意味がわからなくて。
でもわたしの中学のときのことを思っていってくれたのかなと思う。
だから「わかった」と答えた。
大輝はわたしの言葉にゆっくりと頷いた。