あの夏、わたしはキミに恋をした。
「わたしはマネが2人くらいきてくれたらうれしいな」
「たしかに。桃菜だけじゃ大変だし、桃菜がいなくなったあと0人じゃ困るよな」
「呼びかけとかどうかな?サッカー部もマネいなくなったら困るからって結構呼びかけしてるみたい。3年のいかつい男子たちから1年生の女子に話しかけるから怖がられたりもするみたいだけどね」
愛唯はそういいながら苦笑いしていた。
たしかにわたしがまだ高校入ってすぐのころに3年生の男の先輩から話かけられたらびびっちゃうかも。
「わたしが呼びかけするよ」
「桃菜が?」
「うん」
だったらまだ女の先輩からのほうが多少和らぐだろう。
「いいね、今年はサッカー部もわたしがやろうかな。あいつらじゃ女の子たちみんなびびりそうだし」
愛唯はサッカー部のメンバーを思い出しているのか「うん、そのほうがいいな」と一人で納得していた。
「そしたら木下さんお願いしてもいいかな?しばらくは2年にマネの仕事やらせるからさ」
「うん、わかった。頑張ってみるよ」
一人だと心細いけど愛唯と2人ならなんとか頑張れそうだ。