あの夏、わたしはキミに恋をした。





「なせんぱい―――、桃菜先輩」

「…あ、ごめんね」

「いえ…短い間でしたがありがとうございました」

茉奈ちゃんと朱里ちゃんも少し目が腫れていた。

そんな2人とも今日でお別れだと思うとまた泣きそうだった。


去年は見送る側でさみしかったのに、もう今年は見送られる側だなんて。

さっき学校のグラウンドでお別れ会があり、わたしもお花と色紙をもらった。

これはわたしの宝物になるだろう。


「2人とも本当にありがとう。短い間だったけど一緒にマネージャーができてうれしかった」

「また遊びにきてください」

「もちろん、必ずいくね」

2人と最後にハグをしてお別れをした。


ただわたしはこのあと一度もグラウンドに顔をだすことはなかった。
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