あの夏、わたしはキミに恋をした。
*
「どういうこと!?」
夏休み明け、わたしの声が教室中に響き渡った。
みんなの視線がささる。
「ちょっと外いこうか」
上野くんはそういうとわたしの手をひっぱり屋上へと連れ出した。
「…さっきのどういうこと?」
さっき登校してきたわたしに上野くんは「大輝が転校した」と伝えてきた。
夏の予選がおわったあと、大輝とは連絡がとれなくなっていた。
家にも何回か足を運んだけどずっと留守で。
1か月ずっと待ったけど一度も大輝と話せなかった。
だから今日その理由を聞こうと学校にきたのに。
「そのままの意味だよ。大輝はもうここにはこない」
「…意味がわからないよ」