あの夏、わたしはキミに恋をした。
そんなこと一言もきいてない。
ずっと一緒だよって、これからもそばにいるよって夏の予選のときも話した。
それなのに急にいなくなるなんて意味がわからない。
「ごめん…。これ大輝からの手紙。木下さんに渡してって頼まれたんだ」
そういって渡されたのは「桃菜へ」と書かれた封筒だった。
そのまま中の便箋をとりだす。
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桃菜へ
まずは急にいなくなってごめん。
桃菜に言わずにいなくなろうと最初から決めてたんだ。
桃菜から連絡がくるたびに、家にくるたびに何度も会いたいと思った。
でもやっぱりそれはできなかった。
甲子園に連れってあげることもできなくて、桃菜のそばからも離れて、俺は最低な人間です。
だから桃菜、俺と別れてください。
こんな最低な俺のことなんて忘れてください。
そして幸せになってください。
そして最後にひとつだけ言わせてほしい。
桃菜が俺の夢を応援してくれたように、俺も桃菜の夢をずっと応援してる。
桃菜の夢を邪魔してくる人がいても今の桃菜なら必ず夢を諦めずに戦えるって信じてます。
だから頑張れ。
今まで本当にありがとう。
さようなら。
水上大輝
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