あの夏、わたしはキミに恋をした。
────これからなにがあっても桃菜は桃菜らしくいてほしい
そういった大輝の言葉の意味がいまようやくわかった気がした。
手紙にかいてあったように、大輝はわたしにはなにも言わずに去るつもりだった。
もうずっと前からそう決めていたんだ。
でもね大輝。
わたしがわたしらしくいられるのは大輝が隣にいてくれたからだよ。
大輝がいつもそばにいてくれたからわたしは笑っていられたんだよ。
…ねえ大輝。
こうなることがわかっていたなら、わたしは意地でも大輝のこと離さなかったのに。