あの夏、わたしはキミに恋をした。
「もう無理…」
「ちょっと遥体力なさすぎ!」
入学式の後、体育館に並べてある椅子やシートを片付けされられている。
数時間前までわくわく感と緊張感に身を包まれながら、名前を呼ばれて返事をしてどこにいってもお決まりの長い校長の話を聞いていた。
それなのに今こうして雑用をやらされている。
これって普通わたしたちがやるものなの??
入学して早々の重労働にみんなの顔からは疲れの色がみえた。
「はあー、なにこれなにかの嫌がらせ?」
遥もそのうちの一人でぶーぶーと文句をいいながら床に敷いてあったシートをくるくると巻いている。
でもその手は止まりどまりで、反対側からせっせと巻いているわたしと差がついてしまい、どうしても綺麗にシートが巻けない。