あの夏、わたしはキミに恋をした。


部活をやめたら平凡な日常がやってくると思っていた。

「西野のこといじめたらしいぜ」

「それで部活やめさせられたんだろ?」

「てか優樹菜ちゃんたちとも最近一緒にいないよね」

「たしかに、可愛い顔して案外やることゲスいのかもな」

「ああいうのが一番怖いってやつじゃない」


噂はあっという間に独り歩きして、わたしは孤独になった。

犯人はわかってる。

優樹菜たち以外にありえない。

優樹菜も紗耶香も千絵もこんな子じゃなかった。

小学生のときはどちらかというと正義感が強いほうでひとりでいる子をほっとけないタイプだった。

いつからこんな風になってしまったんだろう。
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