あの夏、わたしはキミに恋をした。


学校に行くのが怖くて、いつも怯えた。

席替えをするたびに隣になった人からは机を離され、班でご飯を食べるときも誰も机をくっつけてくれない。

仲がいいと思ってた人は、もはや全員敵だった。



「なんでこんなことするの?」

そうやって反論したときもあった。


でもあるときからわたしはやめた。

おとなしくただ卒業を待った。

自分を押し殺して、ただ静かに時が過ぎるのを待った。



「桃菜ちゃんってさ人の気持ち考えられないくせに、結局一人でいるのが怖い弱い人間だよね」


この言葉はいまでも頭に響く。夢にでてくる。それくらいわたしの精神をえぐるには十分な言葉だった。

一人でいるのが怖い弱い人間だということが図星だった。
< 87 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop