あの夏、わたしはキミに恋をした。


「わかってるよ、あの頃のわたしと今の大輝の状態は違う。自分に重ねるのだっておかしいのもわかってる。でもねあの日夢を語った大輝の目はたしかにキラキラ輝いてた。あれから大輝が休まずずっと頑張ってきたことも知ってる。大輝がもう野球なんて嫌いなら、もう一生やりたくないならわたしは何も言わない。でも大好きなら、まだ夢を諦められないなら、わたしは全力でサポートしたいの」

「…俺、ずっと考えてたんだ」

「なにを?」

「桃菜と別れようってそればっかり考えてた」


この空気で大輝が冗談をいうわけないから本当なんだろう。

そんな風に大輝が考えていたのは正直ショックだった。

大輝にも色んな葛藤があったのも少なからず感じてたんだけど。

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