あの夏、わたしはキミに恋をした。


「甲子園に桃菜を連れていきたいと思ってたから、それがなくなった今、俺は桃菜のそばにいるべきじゃないと思った。でも桃菜の言葉聞いていかに自分が馬鹿だったのか思い知らされた。俺、なんであんなに大好きだった野球を簡単に諦めようなんて思ったんだろう」

でもその前向きな言葉にほっとする。

大輝の目に輝きが戻っている。


「俺頑張るよ。リハビリだろうがなんだろうが乗り越えてみせる。そしてもう一度あのグラウンドで思いっきり走り回る」

「大輝…うん、よかった」

「だから桃菜」

「ん?」

「これからもずっとそばにいてください」

「ふふ。こちらこそそばにいさせてください」


お互いぺこりと頭をさげたあと思いっきり笑った。

ここから大輝の違う意味での戦いがはじまったのだ。
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