あの夏、わたしはキミに恋をした。


羨ましいな。そう思う。

中学の頃、こんな風にわたしのことを受け入れてくれる人なんていなかった。

みんなわたしがバドミントンを諦めたことを喜んだ。

みんなわたしが戻ってくることを望んでくれなかった。



「桃菜、どうした?」

「ううん。なんでもない。よかったね、みんな喜んでくれて」

「うん。どれもこれも全部桃菜のおかげだな」

「違うよ。大輝が諦めなかったからだよ」


頑張り続けていたら結果はでるかもしれないのに、諦めてしまったらなにも残らない。そこで終わり。

もし今あの頃の自分にいえるのならいいたい。


頑張ってみんなを見返してやれって。

みんなが文句をいえないくらい強くなれって。

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