最低なのに恋をした
綺麗だった
頭が重い…フワフワする…今何時だろう…
ゆっくり目を開ける。
最初に目に入ってきたのは天井だ。いつもの見慣れた天井…ではない!!!
驚きで飛び起きる。
そして辺りを見回す。
「あ…」
思わず声が出た。
スッと通った鼻に長いまつ毛、そしてサラサラの黒い髪のキレイな顔が目に飛び込んできた。
見覚えのあるキレイな顔。
次の瞬間、私はサーッと血の気が引いた。
ブルッと身震いしそうになるほどに自分が冷たくなる。
ベッドのスプリングは程よい硬さだし、シーツはずっと包まれていたいような肌触り。
良いものだと素人でもわかるその高級そうなベッドで私は寝ていた。
そのベッドの私の隣で寝息をたてているのは、昨日の夜一緒にご飯を食べた専務だった。
ここは、ホテルではない。壁いっぱいの本棚にギッシリ本が詰め込まれている。そのそばの机には何冊かの厚さのある本が重なっていた。
薄暗さもそう。あの日、専務が体調を崩した日に見た光景だ。
ここは間違いなく専務の寝室だ。
私は自分の状態を確認する。服は着ていた。
昨日のままだった。
ひとまずホッとする。
そして昨日の夜の自分の行動を思い出す。
兄のお店でビールを一気に飲んで、酔って、怒って、食べて、話を聞いて、それで…
帰るためにタクシーに乗ったんだ。
昨日の夜の記憶が蘇る。
ただ、そこまで。タクシーの窓から見える光をぼんやり見ていたのは覚えている。そこから記憶がない。
私は専務の顔をジッとみる。早くこの場から去った方がいいのではないかと思うのに、引き込まれるほどのキレイな顔に釘付けになってしまった。
専務はTシャツにハーフパンツというカジュアルな、きっといつもの就寝スタイルで眠っている。
どのくらいそうしていたのだろう。
突然、目が合った。目が合っている状態が普通でない事を私は気づいている。
専務が目を覚ましたのだ。そして、ジッと見ていた私と目が合ってそのままそらせないまま固まってしまった。
「安西さん、おはよう」
フワッとキレイな顔が崩れて笑顔になる。
ドキッと、朝から血圧が上がってしまいそうな笑顔を向けられ鼓動が速まる。
「お、はよう、ございます」
思わずカタコトになってしまった朝の挨拶を専務は気にする様子もなく起き上がり、ほんの少しカーテンを開け部屋に光を取り入れる。
「安西さん、シャワー浴びるよね。適当に使って」
専務は昨夜、どうしてこうなったのか覚えているのだろう。だからあまりに自然なのだ。
「シャワー…あの」
私はどうしてこの状況なのかを確認しなければいけない。
「どうした?」
専務は動き出さない私を不思議そうに見つめる。
ゆっくり目を開ける。
最初に目に入ってきたのは天井だ。いつもの見慣れた天井…ではない!!!
驚きで飛び起きる。
そして辺りを見回す。
「あ…」
思わず声が出た。
スッと通った鼻に長いまつ毛、そしてサラサラの黒い髪のキレイな顔が目に飛び込んできた。
見覚えのあるキレイな顔。
次の瞬間、私はサーッと血の気が引いた。
ブルッと身震いしそうになるほどに自分が冷たくなる。
ベッドのスプリングは程よい硬さだし、シーツはずっと包まれていたいような肌触り。
良いものだと素人でもわかるその高級そうなベッドで私は寝ていた。
そのベッドの私の隣で寝息をたてているのは、昨日の夜一緒にご飯を食べた専務だった。
ここは、ホテルではない。壁いっぱいの本棚にギッシリ本が詰め込まれている。そのそばの机には何冊かの厚さのある本が重なっていた。
薄暗さもそう。あの日、専務が体調を崩した日に見た光景だ。
ここは間違いなく専務の寝室だ。
私は自分の状態を確認する。服は着ていた。
昨日のままだった。
ひとまずホッとする。
そして昨日の夜の自分の行動を思い出す。
兄のお店でビールを一気に飲んで、酔って、怒って、食べて、話を聞いて、それで…
帰るためにタクシーに乗ったんだ。
昨日の夜の記憶が蘇る。
ただ、そこまで。タクシーの窓から見える光をぼんやり見ていたのは覚えている。そこから記憶がない。
私は専務の顔をジッとみる。早くこの場から去った方がいいのではないかと思うのに、引き込まれるほどのキレイな顔に釘付けになってしまった。
専務はTシャツにハーフパンツというカジュアルな、きっといつもの就寝スタイルで眠っている。
どのくらいそうしていたのだろう。
突然、目が合った。目が合っている状態が普通でない事を私は気づいている。
専務が目を覚ましたのだ。そして、ジッと見ていた私と目が合ってそのままそらせないまま固まってしまった。
「安西さん、おはよう」
フワッとキレイな顔が崩れて笑顔になる。
ドキッと、朝から血圧が上がってしまいそうな笑顔を向けられ鼓動が速まる。
「お、はよう、ございます」
思わずカタコトになってしまった朝の挨拶を専務は気にする様子もなく起き上がり、ほんの少しカーテンを開け部屋に光を取り入れる。
「安西さん、シャワー浴びるよね。適当に使って」
専務は昨夜、どうしてこうなったのか覚えているのだろう。だからあまりに自然なのだ。
「シャワー…あの」
私はどうしてこの状況なのかを確認しなければいけない。
「どうした?」
専務は動き出さない私を不思議そうに見つめる。