天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
そこには望月先生の姿があり、私は挨拶をするために立ち上がろうとすると、またもやバランスを崩してしまう。
抱き留められるような恰好になり、私が慌てて謝罪をしようとすると、後ろから急に抱きすくめられる。
前にもこんなことがあった。
そんなことを思うも、龍一郎さんの訳がない。そう思っていると、後ろから洗い呼吸と声が聞こえた。
「佐知」
大好きな声が聞こえて胸が跳ねる。どうしてここにいるのだろうか、混乱する私を他所に、龍一郎さんは私を大切そうに抱きしめた。
「俺の妻です。触らないでください」
少しだけ跳ねた声音に龍一郎さんが急いでここへと来たことがわかる。