天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
美味しい食事を終え、家へと帰り私は玄関でパンプスを脱いでいると、急に後ろから手を引かれた。
驚いて顔を上げればいきなりキスをされる。いきなりの行為にびっくりして目を見開いていれば、そこには今までとは比べ物にならない、熱を孕んだ龍一郎さんの瞳があった。
「もう、我慢しない」
その言葉と同時に、私の身体がフワリと宙に浮く。何度も一緒に眠っていたのに、一線を越えていない私達。
「我慢していてくれたんですか?」
恥ずかしさと高揚感が襲い、私が少しふざけたように言えば、少し乱暴にベッドへと下ろされる。
真っすぐに上から見下ろされ、私はその表情にゾクリとしてしまう。それほど龍一郎さんの瞳は真っすぐに私を見つめていた。
「それを佐知が聞く?」
問いを問いで変えされ、私は何も答えられない。