天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
「佐知……お前って。どこまでも俺を煽る天才だよ」
そう言って龍一郎さんはフワリと大好きな笑みを見せてくれた。
それからは、どこまでも優しく、気遣いながら龍一郎さんは私を抱いてくれた。
心が通うということがこんなに幸せで、相手が愛しくて仕方がないことを初めて知った。
一つになって私がそっと龍一郎さんに手を伸ばせば、「ん?」と彼が私を愛しそうに見る。
「こんなこと、酔ってても忘れるわけない……大好き」
快感と痛みと愛しさとグチャグチャの感情の中、それを伝えれば龍一郎さんは驚いたように目を見開く。
「佐知、手加減してるんだから、本当にやめて。めちゃくちゃにしそう」
「いい……ですよ……あっ……!」
本当に手加減をしていてくれたんだと理解した私は、その後、意識を手放すように眠りに落ちた。