天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
幸せな未来へ
「本当にお嫁に行くのね……」
「行けって言ったのはお母さんでしょ」
昨夜から何度となく言われたそのセリフに、私はつい不満の声を漏らした。
今日は私たちの結婚式だ。
あの後すぐに婚姻届けを二人で出して、私はそれでいいと私は思っていた。
しかし、龍一郎さんは私の両親の為にもきちんと式をしようと言ってくれた。
いろいろな事情がある私達。おじい様は龍一郎さんを実の孫だと紹介したいようだが、会社に入るにしろ、コネなどと言われるのが嫌だからと、今はすべてを内密にしてほしい。龍一郎さんはそう決めた。