天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
「いただきます」
レタスにハムにオニオン、それに私の大好きな卵サンド。
どれだけ女子力が高いのかと思いながら、サンドイッチを頬張ればカップホルダーにはいつも私が使っているマイボトル。
「コーヒーもいれてくれたんですか?」
「ああ」
会社では冷徹だと思っていたが、これが龍一郎さんの普通であり、よく観察していると少しの感情の変化が少しずつわかってきた。
「ありがとうございます」
素直に言えば少しだけ龍一郎さんの眉が上がるのがわかった。
これは少し照れている時の変化だ。私が素直に言葉を発するとこの表情になることに気づいてから、この顔を見たくてわざと言っている気もする。
私も大概性格が悪い。そうは思うもひょんなことから始まってしまったこの生活を、少しでもお互い過ごしやすく楽しく生活できればいいに決まっている。