天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
「あの、この女性にも非はあるんじゃないですか? 気を持たせるようなことをして」
私の言葉に一瞬ピクリと眉が動いたような気がしたが、和泉部長は冷静な口調で述べる。
「それだとしても、それを見抜けない男が愚かだし、勝手にプレゼントしたと言ったらそこまでだ。それなのに、身体の関係を求めるのは犯罪だろう」
愚か……。
その言葉がやけに似あっているこの人にゾッとしたところで、綺麗な口元が少しだけ上がった気がして、私は怖くなりそれ以上何かを言うのを止めた。
この人は敵に回すべきではない。