天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む～一夜からはじまる契約結婚～

『どうしたんですか？　その味おいしくなかった？』
俺に渡したラムレーズンが口に合わなかったのかと、心配そうにする佐知に俺はニコリと微笑む。
こんな風に自分が笑えたことに驚いた。

『いや、うまいよ。ほら』
スプーンにアイスを掬うと、佐知の口へと運ぶと少し照れたようにゆっくりと口を開いてそれを味わう。

可愛すぎる。頬が緩みそうになるのをなんとか耐えつつ佐知を見れば、「おいしい」と俺に笑顔を向けてくれる。

『じゃあ、こっちもどうぞ』
まさか返されると思っていなかった俺は、呆然としながらなされるがままになっていると、甘いストロベリーが口に広がった。