天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
「早く上がれよ。一人で飯食べられるか?」
今までの空気を壊すように言ってくれた龍一郎さんの少しイジワルそうな表情に、私は嬉しくなってそれをごまかす様に軽く睨みつけると口を開く。
「一人で美味しいもの食べます」
龍一郎さんはクスリと笑うと「行ってくる」とそれだけを言うと出かけてしまった。
今日は一人か。結婚する前ならば普通のことなのに、こんなにも寂しくなるなんて。
小さくため息を付くと、私は仕事を再開した。