僕はいつかキミを思い出して泣いてしまう
僕が救護がやりたいと手を挙げ…たときそれよりもわずかに早く

「はい!私、救護係に立候補します。」

という声がかかった。

見るとそれは、人気者のキミ、だった。

入学式の日、その次の日、一緒に話したキミだった。

だからといって僕が救護になれないのはごめんだ。

「ぼ、僕がやりたいです。」

皆目を見開いてこっちを見る。

だって多分僕はこのクラスで初めて発言した。皆驚くに決まっている。

「良いと思うけど、救護って1人だろ?どっちにするの?」

僕は内心自分の抱えていることを話す、本当の理由を話すことが嫌だった。

だから、目立ちたくないと思う気持ちを抑え

「じゃあ僕はキミにゆずるよ。その代わり僕は放送に立候補します。」

まわりは一回譲った僕に言い返せず、そのまま放送ができることになった。

キミはほっ、っと息を吐くと、安心したように話し合いに参加し始めた。

僕だって救護が良かったよーだ!

なぁ〜んて柄にもないことを考えていた…
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