天の川のうさぎ、お星様とキスをする
 笹舟をゆっくり進めつつ、首をめぐらして辺りを探すわたくしに、ふいに声がかかりました。

 見れば、声の主は流星にのって願いを運ぶ、ホウキボシ宅配便の銀太郎でした。
 彼の担当区域とわたくしの仕事場が被っていることもあり、顔見知りなのです。

 銀太郎の指先でぶんぶんと振り回されているのは、紛れもなくわたくしの巾着!

 見つかったと安堵しかけた矢先、銀太郎はにんまりと口を引いて、とんでもないことを宣いました。

「んじゃあ流星らしく、ばびゅーんと行きますか」

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