ご主人様だけに一途


教壇に立つ先生が、
みんなに何かを言っている。

でも、先生なんて気にしてはいられない。






僕は赤ペンを置き

黒ペンに持ち替え
ノートに文字を書こうとした時

葉音ちゃんが、
ノートにまた、何かを書きはじめた。



『あきと君に
  お願いが、あるんだけど』



お願い?

僕に? 


好きな子からの、初めてのお願い。

何でも、聞いてあげたくなっちゃう。




僕も自分のノートに、ペンを走らせる。



『お願いって?』




葉音ちゃんが
また、お返事を書いてくれてる///

クラスメイトに秘密の筆談してるみたいで、
ドギマギしちゃうよ。


早まる鼓動に急かされるように
眼球を、葉音ちゃんのノートにギロリ。


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