ご主人様だけに一途
――大好きな葉音ちゃんからの
夢みたいなお誘いを断るなんて……
本当は嫌なんだけどな……
がっかりしながら
未練タラタラな文字を、
ノートに走らせようとするも
それよりも先に、
葉音ちゃんが何かを書きはじめた。
『私ね、
政略結婚をさせられそうなの』
えぇぇぇぇ??
この……ご時世に……
政略結婚なんてものが、
存在しているんですか?!
しかも、葉音ちゃんは
まだ高2なのに……
『お父さんの会社が、
このままだと潰れちゃいそうで』
会社の借金のせいで
葉音ちゃんが
好きでもない男と、結婚させられるってこと?
『あきと君、お願い。
私を助けて!!』
なっ///
葉音ちゃん、泣きそうじゃん!
どうにかしてあげたいな……