ご主人様だけに一途
控えめな葉音ちゃんから
『脱ぐ』なんて卑猥なワードが
飛び出すなんて思ってもいなくて
脳内が大パニック。
オロオロが止まらなくて、
頭から湯気が出そうなほど。
『明日、10時に、待ってるね』
『うん』
僕はなんとか
ドキドキで震えるペンで
2文字だけ書いた。
最後に葉音ちゃんの、可愛い口が
『ありがとう』って動いて。
初めて僕に心を開いてくれたのが
わかるくらい
葉音ちゃんが
ニコって笑ってくれたから
天使~
ゆるゆる笑顔、極上すぎ~
萌えキュン笑顔に
心が射抜かれてしまった。
こんな感じで
人生史上最大の心臓のバクバクに
襲われた、へたれな僕は
その日、一日中
大好きな子を
自分の瞳に、映すことができなかった。