ご主人様だけに一途
好きな子のお家で
――次の日
僕は今、大好きな子の家の前にいる。
めっちゃドキドキする。
心臓、口から飛び出そう。
飛び出てもいいけど、
ヒョロッと一瞬で戻ってきてね。
臓器が飛び出した
グロテスクな僕の屍なんて
大好きな子に、見せたくないから。
爪の下に心臓があるんじゃ?って思う程
ドクドクした指で
インターフォンを押してみた。
バクバク。
ゾワゾワ。
待ち時間の
心の爆動が半端ない。
――僕の服、本当に薄ピンクの
だぼだぼパーカーで良かった?
――手土産、マカロンで良かった?
――このドアが開いたら、大好きな子がいて……
大好きな子の、お父さんもいて……
ヤバイ。ヤバイ。
緊張が限界。
目が回りそう。 倒れそう。
魂、死神に持っていかれそう。